第337回 ● 芹沢光治良文学愛好会 ● 御案内
8月28日(日) 13:00 〜 17:00 参加費:500円
□ 会 場・・・・・・「東中野地域センター」 洋室:3(地下1階) 三越マンション
● JR総武線-東中野駅下車 徒歩8分
● 地下鉄 東西線−落合駅下車 徒歩3分
● 地下鉄 都営大江戸線−東中野駅下車 徒歩10分
□ テキスト・・・・・・短編小説 『あの日この日』
大地 昭和21年5月号 赤坂書店・・・今月の送付資料
□ 司 会・・・・・・豊 田 英 文
『2005/8月 読書会の報告』
この作品は、戦後すぐたくさん出てきた雑誌に芹沢先生がたくさん書きました。
戦後、すぐ一年で10種類の雑誌が発売され、理想を持った出版社の方々が芹沢先生の所を訪ね、作品を書くように頼まれたそうです。芹沢先生もその声に答えるために力を込めて作品を作ったそうです。また、『あの日この日』を記載した『大地』創刊号の巻頭言には武者小路実篤が書いていますが、芹沢先生と武者小路氏と小林秀雄と三人で地方へよく講演に行ったそうです。お米をもらえたそうです。
また、芹沢先生がこの時期に短編をたくさん書いたのは、全国にいるかつて東中野の自宅に訪れた学生達に自分は元気にしているという事を知ってもらうためでもあるそうです。
短編小説「あの日この日」 大地 創刊号(昭和21年5月号) 赤坂書店
『参加者の発言より』
・平田老人の純朴な人柄がよく書かれている。
・風景の描写が素晴らしい。
・作家の暖かな作風が感じられた。
・小説として読むよりも日記を読むように感じた。
・先生は、S21年には100雑誌以上に掲載した。我が鳩(読者)に自分が無事を
知らせるために書いた作品の一つである。
・先生は、人の善意(親切)を恩義に感じ、「真心」でお返しとして作品を書いて
いる。
・「真心」を感じた作品であった。
・人としての「誠」を感じた。
・平田老人は命がけで約束を守った。
・平田老人と作者の意思が通う様が微笑ましかった。
・戦争を憎んで人を憎まず
・終戦の索莫とした時代に、索莫さを感じさせない作品である。
・人間の心と心のつながりは楽しいものである。
以下の内容も話題に上がった。
・ジープ事件での、アメリカに対して敵愾心をなぜ持たなかったのか?
・老人に読んでもらわなかった本当の理由?
・老人の死の意味?
本作品は、芹沢光治良文学館にも掲載されていなく、なかなか手にできない作品である。 参加者の多くの方が、本作品のような普通読むことのできない作品を読める素晴らしさを語っていた。 (鈴木代表、今後もよろしくお願いいたします)