『2003/3月 第306回 読書会の報告』
●「男の生涯」の後半「欧州の旅」の読書会でした。
(一人の人間が、清純な気持ちで若い日を生けた一面には、
一人の女性に憧憬するように愛したからだ。)
●今回の作品で議論になった項目。
@なぜ、M子と結ばれなかったのか?
・確固した信念を持つ続けることができなかったM子に問題があるのでは?
・僕の意気地の無さ。(臆病で自信の無さ)
A僕の「生き方の変化」
・「人々を益する生き方」から「自分の喜びとすることが,他人にも喜びと
なる生き方」への変化について詳しく読み取れない。
(関東大震災を契機にしているが・・)
BA子との結婚はあまりにも短絡的で、M子への償いにも似た悲壮感が
あり、不安な未来を予感させる結婚である
など多くの意見がありました。
自分が真剣に生きていた時代を懐かしく回想したり、あの時代の「青臭い」生き方をもう一度してみたくなる作品でした。
●4月のテキストは、芹沢文学を愛して皆様の素晴らしい思いが込められている
「解釈と鑑賞」です。 気楽に参加して芹沢文学の思いを語り合いましょう。