2007(平成19)年 4月24日
文責 小 串 信 正
☆第64回・芹沢文学読書会の報告
第64回の「芹沢文学読書会」を、3月11日(日)の午前10時から、県立図書館の研修室No4で開きました。
平成4年11月15日の柴臣徳衝先生の文芸講演「芹沢文学に接して-最近の日本」のテープを聞きました。柴田先生は、
若き日に芹沢部に集った一人ですが、東京都立大学の教授から東京都の公害研究所所長等を務めました。大河小説『人間の運命』
の創作の参考資料としての詳細な年表を作成して芹沢光姶良氏に提供しました。それに感謝して芹沢先生は、「
『人間の運命 第三部第二巻 再会』あとがさ一若い友S君に-」を書いています。また、『芹沢光治良文学館3』
の月報に「芹沢先生との結びつき」を柴田徳衛氏が寄稿しています。
テキストとして、長編小説『巴里に死す』を読み語りました。まず、同封資料の「解説(遠藤周作)」を読みました。参考資料としての
「長編小説『巴里に死す』の出手数目録」を渡し解説をしました。『巴具に死す』は名作で、長期にわたるベストセラーであったことを、
改めて確認しました。戦中の昭和17年の1年間に、雑誌<婦人公論>に連載されたのですが、舞台がフランスやスイスであることもあり、
戦争の影がなく純粋な生きざまが創作されています。「伸子」を「のぶこ」とせず「しんこ」としたことに、「伸」と「神」
の関連を小串が改めて指摘しました。 また、「中期三部作(孤絶・離・故国)」と表裏一体の作品ですから、
これらの三部作も一緒に読むことも勧めました。そして、『母を恋う-パリに生く -』(昭和23年8月15日偕成社発行)
もあることを紹介しました。
次回は、随筆一(紀行文)の「支那の旅(日本人の監獄・支那の子供)」「支那から帰って」を読み語りたいと思います。随筆集『収穫』
(昭和16年12月11日東峰書房発行)の「愛する社会」に収録され出版されました。これは『芹沢光治良文学館11』(総題『文学と人生』)
に再録されていますので、これをテキストにしたいと思います。この昭和13年の支那への旅は、長編小説『愛と死の書』の第三章「孤雁」
の創作のための取材旅行でもあったのです。短篇小説「草笛」「南寺」も書かれました。
最近、読書会を休んでおられる方も、是非とも都合をつけまして御参加下さい。
☆芹沢文学愛読者交流会・全国大会10月6~8日
今年は、作家芹沢光姶良先生の生誕111年であり、芹沢(光治良)文学愛好会の創立30周年でもあります。それで、
芹沢文学愛好会を中心にして、東京に全国の友の会や読書会の愛読者が集って、第6回の「芹沢文学愛読者交流会・全国大会」が、10月6・7・
8日に2泊3日で開催されることになりました。7日の記念講演を作家加賓乙彦先生か『巴里に死す』と私」
の題でしていただけることか決定しました。
加賀先生は、東京生まれで精神科医で、パリに留学し、文学に志します。『フランドルの冬』 『帰らざる夏』『宣告』『湿原』『永遠の都』
などの小説や『文学と狂気』『ドストエフスキー』などの評論など多数の著作を書いています。『巴里に死す』や大河小説『人間の運命』
などを高く評価しています。 この全国大会に小串も参加し、芹沢文学・大分友の会(芹沢文学読書会)のことを報告したいと思っています。
☆<芹沢文学案内No33> 『長編小説一つの世界一サムライの末裔-』
昭和25年の日本ペンクラブ広島大会に参加した芹沢氏は、原爆の惨事などを長編小説『一つの世界一サムライの末裔-』に創作しました。
昭和29年4月25日に中央公論社より発行。『巴具に死す』の仏訳の成功のあと、この長編小説を仏訳してロベール・
ラフオン社から出版しました。その額には「サムライの末裔Jの方が使われました。好評で迎えられ、「ピカドン」が仏語でも使われました。
この長編小説は、『芹澤光治良作品集』『芹沢光治良文学館』にも再録されています。一読下さい。